知られざる人類婚姻史と共同体社会
 
考古学に潜む危うい「常識」
14552 黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないかA
 
北村浩司  ( 壮年 滋賀 広報 ) 01/10/25 PM11 【印刷用へ
さて次の問題は、この時代の上記の貴重品が広範に広がっていたのは、贈与によるものか、交易によるものかどちらなのか、である。

 結論から言えば私は「贈与」によるものであると思う。
 何故なら、まずこれだけの広域かつ多方面の広がりからみて、交易である事は考えにくい。何故ならば上記の物品(原石)が採掘できる場所は限られており、かつ仮に交易であれば、一般的に考えて特定の部族間でやり取りされるはずである。つまりこれだけの広域の広がりを説明できない。
 逆に贈与であれば、潜在的な緊張関係のもとでかつ友好の意思を多方面に示す必要性が高く、広域に渡ることが説明がつきやすい。
 
 もう一つの理由は原始共同体は自給性が非常に高い事による。交易するということは、他の部族に、自らの生活条件及び生存条件の一部を依存する事を意味する。これは,自給度の高い歴史を積み重ねてきた共同体集団からは、極めて出てきにくい発想である。

 その意味で、私は交易とは自ら生活に必要な生産活動を行わない、遡っても略奪部族、ひいてはその後の支配階級の需要に端を発する様に思われる。また実際交易を後の時代に中心的に担っていたのは、周辺に追いやられた、遊牧部族や海洋部族でその最初の姿は、盗賊や海賊的行為によって得た品の売却であった様である。(つまり半略奪、半交易)

 もし当時の日本列島に少数ながら略奪性の高い部族がおり、それが略奪した品と引き換えに生活上の必需品の一部を得ていたとすれば、交易であるという仮設も成立しうる。しかし私の現在知る知識の範囲内では、そのような部族の存在は確認できていない。

 上記の理由より交易の可能性は極めて少ないと思われる。かつ上記の類推より当時の集団間の関係がおぼろげながら浮かび上がってくる。

 逆に先日のNHK番組が何をもって「交易説」を唱えているのか、その根拠が知りたい。何か明確な根拠があるのであろうか?
 
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