知られざる人類婚姻史と共同体社会
 
採集生産と狩猟生産
200166 集中婚から一対婚への社会変化が人口増加の一要因
 
center_axis 09/02/20 PM11 【印刷用へ
134405 農耕の起源は人口増大にあり 安西氏
>約1万年前から、外敵に対する防御力が上昇
→地上(洞窟外)の安全域を確保・採集した穀物を貯蔵
→極限的な飢えから脱出・人口が増加→採集量を増大させるために栽培へ→さらに人口が増加・集団規模が拡大→農耕へ

 人口増加の社会的要因として人類の場合は「婚姻形態」との相関が大きいのではないかと思います。一夫多妻制社会あるいは先進国では未婚率が高く出生数が抑制される、人口爆発とは従来からの婚姻規範の解体、皆婚化(一夫一妻制度)への転換による影響が大きいのではないでしょうか(なお、核家族は扶養負担(経済面、育児負担面等)の増加によって潜在的に出生数抑制がなされるようです)。 

 なお、文化人類学的、あるいは生物学的にみて人類は一夫多妻型が主流だったといえます(現在でも民族単位で見れば主流は一夫多妻)。つまりは、超長期でみれば集中婚から一対婚への社会変化(集団規範の変容)が人口増加の一要因だといえるのではないでしょうか。

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◆日帝時代の人口J〜婚姻革命(リンク
>鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』によれば,江戸時代の人口は次のように推移しました。
1600年 1227万
1721年 3128万
1846年 3230万
(参考)
1900年 4654万
1950年 8390万

 江戸初期の人口爆発の原因は諸説ありますが,鬼頭氏は主な要因として「婚姻革命」を挙げています。「17世紀農村人口の分析によれば,人口増加は急激な出生率増加によるもので,出生率増加は世帯規模縮小と軌を一にしている。世帯規模を大きくしていた要因は,傍系親族(戸主の兄弟・オジなど)と隷属農民。隷属農民は,血縁親族にくらべ有配偶率が著しく低かった。また,家族の主要関心事は長男の後継ぎであり,傍系親族(次男、三男)の有配偶率は低かった。16〜17世紀は婚姻革命の時代であり,隷属農民の消滅と傍系親族の分離独立によって,だれもが生涯に一度は結婚する社会が実現し,17世紀の人口爆発が起こった」

◆「男と女 その40」〜「一夫多妻とは」(リンク
)
婚姻制度には、夫婦の結びつきによって一夫一婦制、
一夫多妻制、一婦多夫制があります。
文化人類学者ジョージ・マードックは、世界中の849の
民族社会を調査した結果、

一夫一婦制が16%
一夫多妻制が83%
一婦多夫制が0.5%

であることを明らかにしました。


◆『人口大事典』培風館 , pp.504-508.(リンク
>出生力を直接的に規定するのは、婚姻割合、避妊、中絶、授乳期間、性交頻度、不妊、自然胎児死亡、再生産期間などの中間媒介変数であり、社会文化的要因はこれらの中間媒介変数を通して出生力に影響をあたえる。
>サハラ以南のアフリカ諸国における一夫多妻婚の婚姻女性割合は、ここ 20 年間で減少傾向にあることは間違いないものの、依然として高い水準を保っている。特にセネガル、ギニアなどの西アフリカ諸国においては一夫多妻婚の婚姻女性割合が顕著に高い。1950 年代から 1960 年代にかけての研究では、一夫多妻婚の女性は一夫一妻婚の女性に比べて出生率が低いとするものがほとんどであり、それは一夫多妻婚の女性の性交頻度が低いためであるとされた。

◆イスラム教式の一夫多妻が合理的

 それではヒトはどのパターンに属するかというと、うっかり「ヒトは一夫一婦制」だという結論になり兼ねないが、実は、生物学的にはそれは間違った常識である。それはあくまで、ずっと後世になって社会制度として一夫一婦制が人為的に創られたのである。数え方にもよるが、言語別に言うと、数千の民族(文化)が地球上に存在しているらしいが、どの民族においても共通する生物学的なヒトとしての体形上の特長がある。それはすなわち、オス(男性)がメス(女性)より平均的に約20%体が大きいということである。女性の平均体重が50kgとしたら、男性の平均体重は60kgということである。オスがメスよりも体重で20%大きい他の動物との比較によると、1頭の成熟したオスが独占するメスの数は、平均的に数頭である。

 もちろん、ほとんどの動物において、♂♀の比率は50:50であるので、この場合、1頭のオスが数頭のメスを独占することによって他の約80%のオスは、子孫を残すための生殖の機会を奪われるということになるのである。そして、その生殖の機会を巡って、オス同士が激しく戦うということである。時にその戦いは殺し合いにエスカレートすることもある。生物は子孫を残すために生きているのであるから、子孫を残すことができないなら死んでも同じことであり、そこに、生殖のために「死を賭けて戦う」ことの意味がある。一方、メスとしては、自分の産んだ子が生き残るチャンスがより高くなるためには、そのオスがいかに多くの餌を獲る領域=テリトリー(人間で言えば、お金をどれだけ稼いで来るか)を確保できる能力があるかどうかが、実は交尾させるオスを選ぶ基準となっているはずである。これはヒトでも同じことである。

「人類の故郷を訪ねて」(リンク)レルネット主幹 三宅善信氏
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