RANKING
にほんブログ村 歴史ブログへ
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK

2015年04月02日

地域づくりの主役は女~女性がまちを創り世界が女性を育む

地域活動における女性の活躍が目覚しいが、

その要因は何だろうか、また女性ならではの特色は何だろうか、そして今後の地域活動の課題は何だろうか、、、

 

◆個性的な人生尊重時代の到来
このところ、まちづくりの場面での女性の活躍が目覚しい。
伸長著しい民間非営利団体(NPO)の分野やコミュニティービジネスの世界でのリーダーの多くは女性である。
女性はまちづくりの世界で、なぜこのように活躍するようになったのであろうか。その背景として大きく二つ考えられる。

一つは社会側の事情である。
人々の価値観の変化や社会・文化の変化に、男性文化が対応しきれなくなってきているということである。
企業社会で新たなニーズ対応や商品開発・販売に女性が求められているように、まちづくりにおいても女性の登場が期待されるようになった。少子高齢化や子どもを取り巻く諸課題への対応、環境問題への対応、地域経済の新たな活性化、芸術文化の振興、国際化・グローバル化対応など、地域におけるさまざまな課題解決に「女性たちよ、もっと出てきてくれ!」と社会が叫び出したのである。

いま一つは女性側の事情である。
先進他諸国に比べ、日本における女性の社会参加を取り巻く環境は依然厳しくはある。しかしながら、もはやかつてのような自己犠牲を前提に人生を考えるのではなく、いい意味で自己実現を追求する時代となり、女性は多様な生き方を選択するようになった。

その両者の事情が特に結合するのが、NPO活動やコミュニティービジネスの場面である。筆者は、コミュニティービジネスとは地域資源を活かし、地域課題を解決しながら自らの自己実現を果たす地域生活のあり方の一つだと考えている。そこに女性たちは価値を見いだしつつある。かくして今まさに女性たちは、男は仕事、女は家庭という「固定的な性別役割論」から脱し、「個性的な人生尊重論」の時代に生きるようになったのである。

 

◆取り組みの中から見える特色と課題
女性たちのこうした取り組み事例に共通して言えることは、
第一に地域課題が多様化・複雑化・深刻化し、地域自らが自主的に課題解決に当たる必要性が高まる中で、それに応えざるを得ないと気付くセンスのよい女性たちがリーダーとなってきていることである。

第二に地域の再評価や地域資源活用型まちづくりが求められる時代になり、地域情報を豊富に有している女性の有利さを生かしていること、

第三に地域内外における人的ネットワークの質と密度が高く、それらをうまく生かしていると同時に、

第四に情報化・グローバル化社会によく対応し、情報量が豊富でITや語学をはじめとする情報処理やコミュニケーション能力も高いことがある。

第五に自己実現欲求が高く、新たなチャレンジ精神も旺盛で、個性的な生き方を希求していること、

第六に活動や事業に当たっての組織運営はピラミッド型よりは、水平なネットワーク型を得意としていること、

第七に生活や家庭、地域の人間関係に配慮しながら、また経済的にも無理せず、いわゆる身の丈に合った取り組みを粘り強く続けながら、活動内容の充実を図る方法を取っているなどである。

一方、課題もある。第一は、基本的にまちづくりへの女性の進出に対する社会の理解や協力がまだ十分でないことであり、
第二に社会参加に目覚め、力量を付けつつある女性に対し、男性の意識変革がついてきていないことがある。これだけ男女共同参画型社会の構築が叫ばれているにもかかわらず、依然男女の意識には差がある。

 

◆今後に向けて
今後、女性の活動を促進させるためにはどのような環境づくりや施策が必要であろうか。

第一に「地域課題解決型まちづくり」を地域社会全体で共通認識することである。地方分権時代、山積みの地域の課題は、もはや地方行政だけでは対応できない。地域の行政、住民、NPO、企業、教育・研究機関などが協働でまちづくりに取り組みながら、課題解決に挑む体質づくりを共通目標に据えることである。

その上で、第二にその担い手は誰もがなり得る、すなわち「老若男女」すべてであるとの視点に立ち、女性はもとより、今後一気に定年期を迎え、大量に地域に戻ってくる団塊の世代を含めた高齢者、高校生や大学生らを含む青少年らにも、まちづくりへの多様な学習機会や参加機会を創出していくことである。女性だけが浮き上がるようにまちづくりに取り組むことより、誰もがまちづくりの主役になり得るといった社会風土を培ってこそ、女性は活動がしやすくなるのである。

従って、第三にまちづくりへの関心を高め、最初のきっかけづくりのためのプログラムを整備する必要がある。ボランティア・NPOセミナー、関連インターネットホームページの充実、各種ワークショップなどを自由自在に仕掛けていくことである。

第四が、さまざまな交流機会の創出やネットワークを構築し、そこで触発されるシステムを整備することである。ネットワークは固定的に考えるものではなく、柔らかく多様に存在するものである。

例えば、地域づくり団体全国協議会などが取り組んでいる研修交流会などへの参加はお勧めである。あるいは女性の全国ネットワーク組織はすでにあろうが、今改めて全国的な女性起業家ネットワークやまちづくり関係女性ネットワークシステムが加わってもよいのではなかろうか。

第五に組織的、継続的、経営的な組織・事業の推進ノウハウ、マネージメント力を付ける学習システムの整備である。最近は全国各地で起業やコミュニティービジネスに関する講座が増えたが、こうした研修プログラムに参加することも一つだが、大学や大学院などにもまちづくり関連の授業や学科・コースの整備もなされてきているので、社会人入学というのもよい。たいていは生活や仕事をしながら学べるようになっているはずである。筆者がいる大学院でもそうした社会人が多く学んで成果を上げている。
また、上記のようなこととは別に、学外プログラムとして、女性起業家育成セミナー「しごと創造塾」を三カ年実施し、延べ約百人を卒業させたが、その中から多くの女性起業家が誕生している。

第六に、女性をはじめとするまちづくりにかかわる人々への日常的支援である。もちろん行政がその筆頭になろうが、それよりもいわゆる中間支援センターといわれる、民間のサポートセンターの拡充が重要だと考えている。そこもまた女性たちの活躍の場である。

第七に情報の公開、交流の活発化である。まちづくりは理論も大事であるが、優れて実践の世界である。論より証拠、全国、世界各地のさまざまな実践活動を多様な媒体を通じて公開し、相互交流させることである。ちょっとした関心、偶然なことから何かは始まるものであり、あるいは活動を続けて挫折しつつあるとき、刺激的なほかの実践に勇気付けられることは多いのである。その意味でインターネット時代の進展は、女性のまちづくり参加を促すよい環境を創出するであろうと期待している。 (参考:http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/0503/html/t00.html)

 

 

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年03月26日

地域づくりの主役は女~社会問題解決に大きく貢献する女性のNPO活動

地域活動に参加する女性が増えているなか、今回はNPO活動に注目してみました。
法人格を得られるよう法改正されて以降、NPO活動が盛んになっているが、
一方で金銭的報酬が十分でないケースもあり、地域活動を事業として展開、継続していく体制づくりが求められているようだ。

 

◆女性とNPO活動
地域づくりに女性が大きく貢献するようになってきている。
日本では、近年非営利セクターが拡大し、特にNPO法人で活動する人たちが注目されている。
その大きな転換期となったのは1998年に施行された特定非営利活動促進法である。
この法律によって特定非営利活動を行う団体に法人格が付与されることになり、法人格を得た法人がNPO法人とよばれている。
これによって、資金をもたない普通の市民たちが法人という形式をとって社会的な活動をすることについて法的認知、社会的認知が与えられた。
NPO法人の認証数は2014年2月末で4万8854法人になり(内閣府調べ)、社会のなかでの認知も広がっている。

NPO活動の促進の背景には、少子高齢化社会、子育て不安の増加、若年失業問題、地球温暖化など、多様化し複雑化する社会問題がある。
これらの社会問題の多くは行政主導で解決していくことが求められるが、地域社会による助け合いや個々人が解決しようという取り組みも必要であり、ここにNPO活動の重要さがあるといえる。

社会問題の解決をめざすNPO法人の活動はさまざまであるが、2013年に内閣府が行ったNPO法人の調査によると、もっともNPO法人の登録が多い活動は、「保健・医療または福祉の増進」(57.2%)、次いで「町づくりの推進」(39.7%)、「子どもの健全育成の推進」(38.3%)となっている。
また、年間収入の中央値は662万円、職員数の中央値は5名、有給職員数の中央値は3名と、日本においては比較的規模が小さいNPO法人が多くを占めている。

このような状況のなか、内閣府が非営利で活動しているNPO法人及び任意団体に実施した「市民活動団体等基本調査」(2008年)によると、市民活動に従事するのは女性が多く、NPO法人のスタッフも女性が多くを占めている。スタッフの性別は、NPO法人では「女性だけ、あるいは女性がほとんど」が24.4%(任意団体では40.5%)、「やや女性が多い」が21.1%(任意団体では15.7%)であった。
f00-01

 

また、調査した団体全体では、女性が多い団体が53.3%、男性が多い団体が27.3%であり、全体に女性が活動の担い手になっていることがわかる。
同様に年齢をみてみると(多い年齢層を二つまで)、「60代以上」が55.7%、「50代以上」が43.6%、「40代以上」が21.3%、「30代以上」が12.2%であるが、NPO法人の場合は30代、40代のスタッフで構成されている場合が多い。さらに、総務省の「事業所・企業統計調査」によると非営利セクターの従業員に占める女性の割合は2009年には全体の約6割を占めている。なぜ日本では、女性の方が男性より市民活動を行い、非営利セクターで活動し、NPO法人に参加しているのだろうか。
f00-02

 

NPO活動の担い手として女性が注目される理由として、

(1)性別役割分業によって女性はお金を稼ぐことから解放もしくは排除されているので非営利的な活動が男性よりも女性に親和的であること、
(2)NPOは男性によって主導されてきた営利企業と行政サービスによって十分供給されていないサービスの提供者として、新たに登場してきたので、男性による主導の程度がそれほどでもなく、周辺的であるがゆえに女性が活躍しやすい面があること、
(3)現在のNPO活動の主流をなす福祉や教育が、女性に向いている活動とみなされているので女性に参加しやすい状況を作っていることがある。

 

◆地域づくりと女性のNPO活動
事例からみると、第1に、解決しようとする課題は、高齢化社会への対処、外国人との共生、女性の就労の拡大、男女共同参画社会の実現とさまざまであるが、女性たちは地域の問題を解決しようとするなかで、地域を活性化させ、つながりを深くしている。
第2に、女性たちの活動は地域づくりに資するものになっているだけではなく、女性たち自身が力をつける土台にもなっている。
第3に、一方で、金銭的報酬があまり支払われていないケースがある。

金銭的報酬がきちんと支払われるか、そうでないかは、(1)事業志向型の活動か、提案志向型の活動であるか、(2)メンバーの経験、によると考えられる。事業志向型の場合は、行う事業が明確で事業が拡大し、収益が上がれば金銭的報酬をメンバーが得ることができる。
また、従事するメンバーが金銭的報酬を労働の対価として得るのが当然と考えて活動するのか、それとも、金銭的報酬がすべてではないという考えを持つかで、金銭的報酬が実現するか、そうでないかが異なる。

そして、労働の対価として当然と考えるか、考えないかには、ひとつはメンバーのそれまでの職業経験や状況が反映していると考えられる。専業主婦で社会とのつながりを求めていた者にとって、NPO法人で活動することで得られるものは、「労働の対価+生きがい・志」であり、一方で、働くことの延長にNPO活動があった者にとっては生きがいや志はもちろんあるが、労働の対価は金銭的な報酬であろう。さらに、彼女たちの金銭的報酬への考えには他に生計を支えるものがいるかどうかにも大きく左右されるだろう。

また、NPO法人のもつ活動そのものの特徴が、メンバーが金銭的報酬を得ることへの志向性を弱めている。社会的に貢献したいという気持ちや使命感が金銭的報酬への志向性を弱め、金銭的報酬がなくてもそれを補う満足感を与えている。メンバーへの金銭的報酬といった観点から考えるとき、このような気持ち・使命感と金銭的報酬への考えを分離する必要があるといえるだろう。さらに、NPO法人に従事するメンバーが金銭的報酬を得ることの社会的認知も必要である。NPO法人は非営利団体であり、法人としては利益を追求しないが、それはNPO法人で活動するメンバーの活動(労働)の対価が切り下げられることを意味していない。

地域づくりと女性のNPO活動について考えてきた。女性のNPO活動は地域づくりに大きく資するものであり、また、女性自身が力をつける場にもなっている。一方で、金銭的報酬をみたとき、それが十分でない場合もあり、より持続的な活動を考えれば、労働の対価として支払われるような事業展開やメンバーの意思が必要といえよう。
(参考:月刊 地域づくり http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/1406/html/f00.htm )

 

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年03月19日

日本人の家族観(3) ~姓と苗字の歴史~

女性を対象にした、「結婚したら成りたい苗字ランキング」というアンケート結果(リンク)があります。

第1位:結城(ユウキ)      第6位:佐伯(サエキ)
第2位:橘(タチバナ)       第7位:西園寺(サイオンジ)
第3位:如月(キサラギ)     第8位:桜庭(サクラバ)
第4位:一条(イチジョウ)    第9位:二階堂(ニカイドウ)
第5位:一之瀬(イチノセ)    第10位:五十嵐(イガラシ)

人気に理由は、「苗字の持つ響き」と「家柄・格式(由緒正しさ)」にあるようです。
ところで、多くの女性が結婚すると苗字が変わるのはなぜなのか? 苗字が変わるとはどういうことか? そもそも苗字とは何なのか?
先日、若い女性に「(結婚して)苗字が変わるといういうことは、父系社会で所属(=家・イエ)が変わるということだよ。」と話すと、「え~? どういうこと??」という反応が返ってきました。。。

今回は、日本人の家族観に関連し、「姓」と「苗字」について考察します。

SN340016

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年03月16日

地域づくりの主役は女 ~地域で活躍する女性

人々にとって最も身近な暮らしの場として,地域は家庭とともに重要である。そして,地域の様々な活動に対する女性の意欲は高まっており,地域活動の担い手としての女性に大きな期待が寄せられている。また,実際に,地域を活性化する女性の活躍は全国各地にみられる。その一方,女性が地域のリーダーとして活躍する機会は少なく,女性の力が十分に活かされていないという現状もある。

女性の意欲や能力を地域に活かすことは,様々な課題を抱える地域社会にとっても有益であり,また,様々な分野での実践的な活動を通じて女性自身の成長が図られるという双方向の効果をもたらす。

ここでは,地域における女性の活動・参画の状況を様々な角度から概観した上で,女性が中心となって活躍する地域活動の特徴を分析、また女性が中心となって活躍する活動の重要性の高まりと、そのような活動が進化するためのポイント等についても検討する。

平成20年版・男女共同参画白書より(リンク

■地域における活動への女性の参加についての意識と実態

  • 地域におけるつながりが希薄化する中,女性の地域活動への参加意欲や地域の担い手としての当事者意識は高い。
  • 女性は,自分自身の成長や他人への貢献を目的にボランティアやNPO活動を行うことが多く,NPOの機能としてもつながり作りや能力発揮の場の提供を望んでいる。
  • 女性が社会貢献をしたいと考える分野には,環境,社会福祉等がある。
  • 活動を行う際の問題点として,時間・情報等の不足を感じている女性は多い。
  • 女性の地域への参画の障害となっている固定的役割分担意識には地域差がある。
  • 地域活動への参加率は全体的に低いが,その中では女性はまちづくり,子育て,介護の分野で活発であり,ボランティアの活動者率は30歳代後半,40歳代で高くなっている

第1図 地域のつながり-10年前と比較-

第2図 地域のつながりが弱くなっていると思われる理由

第3図 地域が元気になるための活動に参加したいと思うか

第5図 活動者がボランティア活動を行う目的

第6図 NPOに期待する役割

 

 

■地域の様々な分野における女性の参画状況

  • 地域において様々な活動を行っている女性の割合は総じて増加しており,その内容も多岐に渡っている。
  • 一方で,横断的分野において地域のリーダーとなっている女性は少ない。

    第13図 地域活動への参加状況

 

 

■女性が中心となって切り開く地域の可能性

  • 自らが主体となって,身近なものや人々を支え,大切にし,育てていかなければならないという強い思いが活動の原動力・推進力となっている。
  • 地域や生活に密着した視点と柔軟な発想が活動の基礎となっている。
  • 地域の多様な主体と連携・協働しながら活動を展開しており,また,調整力の優れたリーダーシップが発揮されている。
  • 実践的な活動が人々の意識や行動を変え,女性自身の人材育成の場ともなっている。
  • 活動の成果や活動に対する積極的な評価を受けることにより,活動が持続・発展している。

 

■女性が中心的役割を果たす地域活動の重要性

地域において,こうした変化が今後一層進展することが見込まれる中,地域が抱える様々な課題を解決し,豊かで持続可能性のある社会を構築していくために,女性が中心となって活躍する地域活動の重要性は今後ますます高まると考えられる。そのように考えられる主な理由として,次の三点を挙げることができる。

第一に,このような活動は,地域の実情に合致した主体的な取組であるということである。

地域は様々な課題を抱えているが,地域の多様化が進む中,その課題は地域によって一様ではない。それぞれの地域に根ざし,その実情・ニーズに的確にきめ細かに対応した地域の主体的な取組でないと,取組の効果は限定的なものにとどまってしまうだろう。その意味で,地域の女性自身から発した,身近なものを大切にし,育てていこうという気持ちと身近な地域や生活に密着した視点に基づく,主体的な活動の展開は,地域の課題解決にとって重要な意義がある。

第二に,多様な主体や新しい視点を活かすことができるということである。

女性が中心となって展開する地域活動は,地域に根ざした多様な主体を緩やかにつなぐことによって,それぞれの強みの活用や新しい視点の導入を図る。これによって,これまで十分に活かされていなかった力を活かし,これまで気付かなかった新しい視点や発想を活かすことができる。新しい視点や発想は,地域の新しい魅力や可能性を発見することに役立つ。こうした緩やかなつながりは,希薄化した地域のつながりを再生し,その機能を回復する。きめ細かなコミュニケーション能力と高い調整能力に基づく女性のリーダーシップは,こうした緩やかなつながりを持続させ,発展させる。

第三に,波及効果や浸透効果が大きいということである。

女性が中心的な役割を果たして実践する地域活動は,地域に根ざした地道に日々継続して実践される活動である。こうした地域に根ざした地道に取組の蓄積は,容易に変わることが難しい意識の変革をもたらし,そして,人々の行動を変え,大きな波及効果や浸透効果を地域にもたらす。地域活動によって育成された人材が,更なる活動を展開する。場合によっては,そうした人材が政策・方針決定の場に参画することにより,政策や方針の決定を通じて,地域により大きな波及効果を創出する。こうした波及効果や浸透効果は,地域に幅広く着実な変化をもたらし,地域の抱える課題を解決し,地域を支える大きな力となる。

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年03月12日

日本人の家族観(2) ~家制度の歴史~

21世紀も10年以上経ったいま現在、家制度の痕跡らしきものは、結婚式場のホールに掲げられている「○○家・××家披露宴会場」といった案内板や、墓石に刻まれている「○○家先祖代々の墓」といった墓碑銘を除くと、社会の表舞台からほとんど消え失せてしまった。
かつて家制度をめぐって華々しい議論を繰り広げていた社会学・民俗学をはじめとする諸学問の研究成果を踏まえ、日本の家の特色をあげるとすれば、それは「世代を超えた永続」ということに尽きる。

つまり、家とは家産と呼ばれる固有の財産と、家名と呼ばれる固有の名前、そして、家産を用いて営まれる家業―の三点セットを、父から嫡男へと父系の線で先祖代々継承することによって、世代を超えての永続を目指す社会組織なのである。

いわゆる「アラフォー」世代よりも若い方々には、実感として理解しにくいことかもしれないけれども、つい数十年前までは日本の各地でごく当たり前に見うけられた家こそはまさに、日本人の意識や行動、価値観などを長年にわたり律してきたものにほかならない。

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年03月05日

日本人の家族観 変化する意識・変化しない制度

●強固な日本の家族制度

現在、結婚後に夫婦が違う姓を名乗る「夫婦別姓」は法制度として認められていません。“夫婦別姓は違憲でない”という判決が、東京地裁によって2014年に下されたばかりでです。

婚外子の出生割合については、日本は2パーセントほどで、アメリカでは40パーセント、北欧やフランスでは50パーセント以上あり、日本の低さは際立っています。また民法は、婚外子の相続分は婚内子の半分と定められています。

1980年代にDINKs(ダブルインカムノーキッズ)という言葉が流行しましたが、実態としては結婚した夫婦の多くには子どもがいます。子どもを持たない、と選択する夫婦は少ないといえます。

また現在、4組に1組の結婚が、結婚前に妊娠しその結果を受けて結婚するという、いわゆる「できちゃった婚」です。日本の男女の多くが、「子どもを持つことは結婚によってのみ可能である」と考えていますし、結婚する唯一の理由が「子どもを持つため」と考える男女も少なくありません。

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年02月27日

シェアハウスは住まい方の本源回帰か?(集団と住まいの歴史)

近年、住まい方の潮流で「シェアルーム」や「シェアハウス」が注目されています。
しかし、近世までの古い集落や民家群、町屋・長屋群などを見ると、群的、共用・共有的であるのが通常で、一戸の家が単独的でないほうが一般的なのです。つまり、人々の住まいは元々共有的・シェアハウス的なもでした。そのように考えると、住まい方の新しい潮流とは、本源回帰とも言えるのではないでしょうか?

そこで、本ブログ「共同対社会と人類婚姻史」というテーマから、今回は住まいの歴史を長いスパンで見ていきたいと思います。
※集団と住まいとの関係を歴史的は、生産様式(生産体制)、婚姻様式、集団統合体制と密接に関連します。

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年02月26日

高齢者が先導する新たな共同体!~シリーズ11:地域共同体構想の実現基盤と実現手法 その7~地域共同体構想まとめ

こんにちは。 今回は、これまでの記事のまとめとして地域共同体構想を書いています。 ●実現の時代

■潮流の先端 リンク

・私権の終焉⇒本源収束(未知収束⇒集団収束⇒共認収束) 2002年、世界的な供給過剰はついに私権秩序の終焉を迎え、「もはや遊んでいる場合ではない」と現実の場における課題・役割欠乏が生起し、共認収束の潮流が顕在化した。

と同時に、自然志向や節約志向といった脱市場の価値観、生活が顕在化した。 私権秩序にしがみつくしかないお上がなりふり構わず暴走を続け、危機感の上昇とともに、命を守る・地域を守るというような集団収束へ向かい始めた。

そして2013年末の不正選挙により秩序崩壊の危機は決定的となり、人々は「もはやお上にまかせておけない」と自給志向・自考志向が上昇し、さらには「何かやりたい」という志が生起し、地域活動などがさらに加速することとなった。

今後さらに秩序崩壊が進むほどに社会収束が強まり、未知なる社会を把握しようと追求欠乏が高まり認識収束していくことは間違いないだろう。

このように、共認回路上の欠乏(共認収束)から、本能レベルでの集団収束、適応回路上の未知収束へと、人々の意識は根底へと深く根を下ろしつつあり、この潮流は止まらない。

 

■運動論 人々の課題収束、自考志向の先が、まず命を守る⇒地域を守る⇒社会を守る、といった順になるのは、身近な消費生活過程ほど可能性が高いからであり、まずは「地域を守る」に向かう。

秩序崩壊の危機に伴い、企業も生き残りに必死であり、舵取りの見直しを迫られている。

しかし追求力の時代に入った以上、企業の共同体化は必死で、すでに企業の3割くらいは共同体化に向かいつつあるのが現状である。

社会統合の要は国家であり、いきなり「国家・社会を変える」のは困難であるが、しかし、命に関わる健康・医療・原発などをはじめとした事実認識は秩序崩壊の危機を直撃し、社会収束に直結する問題である。

原発事故を契機に、とりわけ2013年の不正選挙以降は、もはや本源収束を突き抜けて秩序崩壊の危機⇒社会収束が一気に加速している。とすれば、すでに秩序崩壊⇒未知収束が作動し始めた以上、地域も企業も社会も同時一体的に共同体化していくものと思われる。

だからこそ、秩序崩壊の危機を生起させる事実認識(ミニ新聞や宅配NW)の共有~追及共認の形成が運動論としての可能性として浮上する。

 

●企業も地域も社会も同時一体で共同体化

脱市場の潮流も2012年までは自然志向・健康志向止まりであり、また共認収束の潮流も課題収束までであったが、2013年不正選挙を契機とし、共認収束を突き抜けて社会収束→未知収束が全面に出てきた。

共認→集団→未知収束と、本源回帰はより深く根を下ろしつつある。

命を守る、地域を守る、社会を守るといった志のもと、消費者や有権者のNW化が出来ていくことで、自分たちで形成していく新たな共同体社会の実現となり、NWにおける共認形成の軸となるのが事実認識を中心としたミニ新聞であり、共認関係の場が宅配NWによって拡大していき、その宅配事業の主力を担うのが、志をもった老人や主婦となる、、、

追求力の時代、追求闘争こそが現代の闘争の本場であり、追求関係を統合するミニ新聞⇒宅配NWの拡大闘争こそが最先端の課題となる。

 

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年02月17日

地域づくりの事例に学ぶ~全国に広がる「地域の茶の間」、その思い

前回紹介した「地域の茶の間」ですが、創設者の河田氏のインタビュー記事がありましたので、紹介します。
全国30,000のコミュニティカフェの先駆けで、お手本として注目されている「地域の茶の間~うちの実家」ですが、
一体どのような思いから始め、どのような志をお持ちなのでしょうか。

 

いくつかのポイントを挙げると、
・現在、地域で一番足りなくなっているのは、隣近所同士の絆
隣近所同士で何かあったときに「ちょっと助けに来て」って言えるような関係性を再構築していく時期

・人を放っておけないとか、これは見過ごせないってところに自分の生きがいや存在などを重ね合わせて動き始める

・肩肘張って組織を作って何かしようってことではなくて、誰かの何かしてほしいという呟きとかを形にしてきただけ。

・人が切望するもの、本当に必要なもので、いろんな人が共感するものであれば、皆が協力してくれる

・制度の枠外の部分で「市民だから」「家族だから」「友人だから」「知人だから」という関係性の中で助け合う

・一番大事にしているのは、参加される方が主役ってところ、、、

 

地域活動の原点なんでしょうね。
組織を作って、さあ始めるぞ~というような形ではなくて、
誰かが必要としていることに真摯に応えていくことで、自然と同じような思いを共有する人が集まってくる。
そして、みんなで力を合わせて、ひとつずつ形になり、大きな輪になっていく。
このようにして出来た地域の繋がりは、きっと代々と受け継がれていくんだろうなと感じます。

 

a4bebab707fa85c74fbb3cbe492b7b02 26e3b7483b165e096965de461d81d93c

 

「地域づくりの広場」より
今回は、新潟市の住民参加型の在宅介護の助け合い「まごころヘルプ」の創設者であり、空き家を活用した交流拠点「うちの実家」の運営に携わりながら、地域の福祉の質の向上のために人材育成や研修、講演活動を続けている河田珪子さん(新潟市在住)にお話を伺いました。

インタビュアー:
「うちの実家」代表、支え合いの仕組みづくりアドバイザー 河田 珪子さん「うちの実家」は前身の「地域の茶の間」の毎日型・常設型とのことですが、「地域の茶の間」を始めたきっかけなどを教えてください。
河田さん:
「まごころヘルプ」という有償の助け合い活動を行っていたとき、ひとり暮らしのお年寄りや、小さい子どもを抱えているお母さん、退院して間もない方など、とにかく誰かと話をしたい、話を聞いてもらいたいという想いがある人がたくさんいらしたので、歩いて行ける範囲に誰でも集まれる茶の間のようなところがあったらどんなに良いだろうって思っていました。
そして、近所の敬老会に呼んでもらってお話をさせてもらったときに、集まっていた人たちといつも自分が訪問していたお年寄たちが重なって見えて、思わず「第3日曜日に私の家を開放します」って言ってしまったんです。そうしたら自治会長さんが「こんなにたくさんの人では入りきれないでしょうから、自治会館を使ったら良いですよ」と言ってくださったのが始まりです。 


インタビュアー:
誰かの協力を得ながら始めていこうと考えたのでしょうか。
河田さん:
思い付きのように言い出したことがきっかけで、誰かの協力があるからやり始めたわけではありません。初回は誰も来てくれないかもしれないと思っていたところ、自治会長さんが回覧板で周知してくださったので50人も集まってくれました。主人がゴザを引いてくれていたら、それを見ていたお年寄りたちを送りに来ていたご家族が手伝い始めてくれましたね。
そして、「地域の茶の間」に来ていたお年寄りが、「このまま帰らないでここに泊まりたいね」って言い出したときに、「じゃあ泊まれるところを作ろうか」ってことですぐに空き家を借りてできたのが「うちの実家」なんです。
肩肘張って組織を作って何かしようってことではなくて、ニーズというか、誰かの何かしてほしいという呟きとかを形にしてきただけで、まず誰かに手伝ってくださいとか皆が手伝うから一緒にやりましょうとか言わなくても、自然に協力者ができていったんです。
 

インタビュアー:
協力者が増えていったのは河田さんの人柄もあると思います。
河田さん:
そう言ってくれる方もいますが、そうではないんです。

人が切望するもの、本当に必要なもので、いろんな人が共感するものであれば、皆が協力してくれると思うんです。協力というより、皆で一緒に楽しくやってるって感じですね。 

インタビュアー:
「うちの実家」の運営など、河田さんの活動は行政に頼らない姿勢が感じられます。
河田さん:
頑なに頼らないってことではないんですよ。
私は新潟に来る前は、大阪府立の特別養護老人ホームで仕事をしていました。(※河田さんは平成元年に親の介護のために仕事を辞め、大阪から新潟に帰ってきました。)その頃は、人の暮しの中には制度の枠からはみ出した部分がたくさんあるのに、その部分に対して何もできないつらさを強く感じていました。だから新潟に来てからは、制度の枠外の部分で「市民だから」「家族だから」「友人だから」「知人だから」という関係性の中で助け合うことに徹してみようと思っているんです。
新潟に来た頃は、スウェーデンのような先進的な福祉を行政がやるべきだと言われていた時代でしたが、それはちょっと違うんじゃないかっていうのが私の気持ちでした。行政サービスで必要なことはきっちりされるべきですが、全ては無理だと思うんですね。だから、行政がやれない隙間には、私たち自身が皆で優しい気持ちをちょっとづつ出し合えば解決できることがたくさんあるので、行政とともにひとつの幸せを作るという目的の下に歩いて行けば、必ずうまく行くものだと思っています。
 


インタビュアー:
活動において苦心されてきたことはどんなことでしょうか。
河田さん:
新潟で「まごころヘルプ」を作った平成2年頃は、現在のようなヘルパー養成等の研修体制がなかったので、大阪府が私を育ててくれたように、今度は自分と関わる人たちが勉強できる機会を私が作れたらいいなと思って、「まごころヘルプ」の活動をする会員向けの研修を行いました。
「まごころヘルプ」はボランティア活動ですが、現場の体験を理論付けしながら成長していくための研修を行いました。また、やっていることの意味を理解し、誇りを持って活動できるように、「人の家庭に入る」「人の生き方に係わる」ことの重要性等を認識するための研修を行いました。
 


インタビュアー:
「うちの実家」の運営で苦労していることはありますか。
河田さん:
ないんですよね。
お金の面も参加費と年会費でうまく回ってます。人が来て居心地の良い場所、また来たいと思う場所を作るっていう以上の目的はないから、贅沢もしませんし。
あと、一番大事にしているのは、参加される方が主役ってところですね。お客様扱いはしませんけど(笑)。
 


インタビュアー:
「うちの実家」は地域と支え合う良い関係ができてきて、少しづつ認知されてきているようですね。
河田さん:
「うちの実家」は最初に地域に回覧板を回すことから始めました。どういう目的で何をしたいところなのかってことを理解してもらって、自由に中を見てもらいました。地域の宝になろうっていう考えを大事にしてきて、ようやく地域の方から「うちの実家」があって良かったと言ってもらえるようになりつつあります。
現在、地域で一番足りなくなっているのは、隣近所同士の絆だと思うんです。ですから、たとえば地域内の道路なんかは複合施設の中の廊下だと思うようにしています。今、公的な制度や「まごころヘルプ」のようなインフォーマルな仕組みと組み合わせてもまだ足りなくて、隣近所同士で何かあったときに「ちょっと助けに来て」って言えるような関係性を再構築していく時期に入っているので、「うちの実家」もそれをやり始めているんです。昔のようにベタベタした関係、プライバシーを侵すような関係ではない隣近所との関係性を地域に作っていく、複合施設の廊下なんて考えが必要なかった人たちも含めて、この地域で生きて死にたいって思えるまちづくりをする時代に入ってきていると思います。
 


インタビュアー:
「うちの実家」がその起点になっていきますね。
河田さん:
起点というのは難しいですが、少し前に石山地区公民館と共同で行った研修で、支え合える地域ができそうな手応えを感じました。
「うちの実家」は、地域のどういう役に立っていけるか、また優しさとか方法論などを地域全体に広げていくにはどうするのかと考えるところに入ってきてるんですね。こうだったら良いなっていうものを具体的な形にしていくのは可能だと信じて、それを皆と楽しんでやっていこうと思っています。
 


インタビュアー:
ホームページを閲覧している地域づくりを志している人へのメッセージをお願いします。
河田さん:
何かを始めるときっていうのは、人を放っておけないとか、これは見過ごせないってところに自分の生きがいや存在などを重ね合わせて動き始めるはずですが、活動している間に「こんなにしてあげてるのに何で分かってくれないの」とか、「これはそもそも行政がやるべきだ」って気持ちになることがあると思うんですね。駄目になってしまう活動というのは、自分は一生懸命やってるつもりだけど、いつのまにか最初の原点を忘れてしまっているのではないかなって気がします。
活動が20年間継続しているのは、私自身が一番嬉しいと思うところにいつも軸足を置いてるからかもしれませんね。いろんな人たちと知り合えて仲間もできて、「良いことしたかな」なんて気分にさせてもらえることが一番嬉しいんです。そういうことを忘れないようにしていけば、活動は継続すると思います。
 


○「地域の茶の間」について
子どもからお年寄りまで、障害の有無を問わず、誰でも好きな時に立ち寄って好きなことをし、誰が来ても「あの人、だれ?」という目で見ない、エプロンは台所以外ではしない、といった決まりごとの下、「お世話する人・される人」という関係をなくし、誰もが生涯現役でいられることを理念に掲げている。同様なシステムは県内だけでなく、全国にも広がりつつある。
 

 

 

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽

 

2015年02月13日

【女主導の原理と現代への適応】母系社会の適応原理

女主導の原理を探る上で、改めて押さえておきたいたい点が、母系社会の在り方。
今回は、現代にも残っている母系民族から「女主導の原理」の具体的な中身をみていきたいと思います。

『生命の根源は女。母系社会をめざせ』(リンク)より
中国の少数民族、モソ族は1500年以上前から四川省南部の辺境で暮らしてきた人口約5万の民族で、現存する世界最後の母系社会といわれています。
この母系大家族制度は、祖母が家庭の中心で、一族の資産を管理します(家長と財産は、代々女性に引き継がれていきます)。家族全員が祖母の血を引き、結婚という制度をとらず、男は、妻を娶らず、女は嫁がず(お嫁にいかず)、生まれた家で、母親、兄弟、姉妹と、生涯を一緒に暮らす女の国です。
モソの風景
■四川省南部の風景

  にほんブログ村 歴史ブログへ

▽続きを読む▽