2006年12月13日
秘境(バングラデシュ)に残る母系民族:ガロ族(その2)
インドの北東部のアッサム地方には複数の少数民族が存在しており、それらは母系制によって集団を維持している様です。子どもは母親の血族に属し、財産や負債、地位や姓もが母から娘へと承継される社会です。
集団を維持するために、どの様な規範(習慣)となっていたのでしょう?

ガロ族の結婚式
「未開の顔・文明の顔」より
-/-女は弱いんだから、自分たちのように財産は女に持たせるべきだ。日本の女の人たちはかわいそうだという。ガロ族は世界でも珍しい「母系制」をとっている民族で、結婚すると夫は妻の家、あるいは妻の村に来て住み、家、財産、子供はみな妻に属し、家、財産は娘の一人に相続されるのである。<中略>
-/-ガロ族は夫婦の一人が亡くなると、すぐそのお葬式の場で親族一同(村人はみんな親類になっている)で、あとがまをきめる習慣になっている。すでに娘が婿をとっている場合には、夫が亡くなると、同時にその婿を夫とする。すなわち、婿は義母の夫をつとめ、母娘二人の夫となる規則になっている。だからガロ族の間には未亡人とか、やもめの男は殆んどいないのである。
ガロ族には「サングマ」と「マラク」という二大系統があり、結婚する場合には同系族間の結婚はタブーとされてきました。それによって母系集団を維持存続出来たのでしょう。
また、上記の引用から分かるように、(母の)夫が亡くなったとしても娘の夫が母を守る為、一時的な一夫多妻に近い形態を取ることになりますが、これも集団を維持する為の必然的な習慣だった事が分かります。
要するに、「母系制」という婚姻様式の前提として私有の意識が無いことを意味しており、女達の安定基盤をつくる事=集団の安定を第一に考えられてきた集団様式である事が分かります。
もし、一対婚規範(私有意識)が芽生えたとしたら、娘の夫は母を受け入れられない→母系集団は徐々に解体されていくのでしょう。
By.ヨネ
- by minene71
- at 17:32


comments
興味深く読ませていただきました。質問よろしいでしょうか。
>だからガロ族の間には未亡人とか、やもめの男は殆んどいないのである。
①母親の夫が亡くなった場合は分かりました。では、
②娘の夫が亡くなった場合はどうなるのでしょうか?
母の夫(父親)が相手では近親になるので、やはり再婚、つまり別の夫を迎え入れるのでしょうか。
③逆に母親が亡くなった場合と、④娘が亡くなった場合は?
やもめの男は殆どいないということは、
③母の夫は別の母系集団へ婿入?
母の夫(父親)と娘では②と同様近親になるので難ありそう。
④娘の夫には母が相手になるのか(一妻多夫状態)、それとも他の母系集団へ婿入?
他の母系集団へ婿入の場合は、一妻多夫状態もあり得そうだが…。
よろしくお願いしまーす♪
コメントありがとうございます。
今まで母系制を維持してきたのは、女の安心基盤の形成が集団をまとめる上で不可欠であったと考えられます。
その上で
③「逆に母親が亡くなった場合は?」
二大系統の存在が意味している様に、近親相姦のタブーが認識されていた事から、夫は他の集団に入るかor母姉妹(未婚or同居していれば・・・)との再婚が考えられます。
②「娘の夫が亡くなった場合はどうなるのでしょうか?」
集団の協議には男が担うとありました。新たに婿をもらわなければその小集団は無くなってしまう。
④「娘が亡くなった場合は?」
未婚の姉妹と一緒になる?(同じ母系制を営む「コマー族(ベトナム)」はその様にしている。)
ガロ族の集団の構成がどうなっているのか(母兄妹・娘兄妹は同居か?)の実態は分かりませんでしたが、母系制が崩れては集団維持が出来ないという視点に立ってみる事が、その婚姻イメージに繋がるのだと思います。
また新たな事実が分かれば投稿したいと思います。