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2007年03月21日

アボリジニ先住民族のプロミスト婚

アボリジニの伝統的婚姻―プロミスト・ワイフ(プロミスト婚)―を紹介します。
<プロミスト婚>直訳すると「約束された結婚」ってとこでしょうか、老若交代の2回婚ともいえる婚姻様式です。
具体的事例として、今から30年程前の事例が取り上げられている書籍があったので紹介します。現在でも行なわれていますが、若い世代からこの慣習は改めたほうが良いのではないかとの意見もでてきているようです。
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彼(ウヌウン氏)は48歳の頃と思われる1978年、古くからの慣習にしたがってプロミスト・ワイフというかたちで、ブララ族の女性ワイマンバと結婚する。この結婚によってウヌウン氏は、さきのガマディむら建設途上でむかえた妻ランブプとともに、二人の妻をもつことになった。
このプロミスト・ワイフという結婚は、まず約束された女性を選ぶことからはじまる。その女性は、彼らの習慣によると、結婚する当該男性の父の姉妹の娘の娘の中から選ばれる。したがって選択の対象となる女性はかなりの年下で、しかも複数いることになる。その中から誰を選ぶかは、当該男性の母の姉妹とその配偶者が決める。こうして結婚すべき相手の女性が決定されると、夫となるべき男性はその女性が成人し結婚の適齢期をむかえるまで、場合によっては結婚した後も、彼女の両親に贈り物をつづけるなど、経済的に生活を援助する事が義務づけられている。その贈り物には、かつては狩猟・戦闘用のヤリとヤリ投げ器が選ばれたという。現在ではお金を贈ることが多い。
その義務が解除されるのは、プロミスト・ワイフとなった娘の両親が「もう充分だ」といった意味を申し出をするか、もしくは両親が死亡したときに限られる。これが履行できないとプロミスト婚は破棄される。
こうしてウヌウン氏は古くからの習慣に忠実な結婚をはたしたのである。
そして80年には、プロミスト婚でむかえた若い妻ワイマンバとの間に、ウヌウン氏にとって第二子、長女のジュンジュロをもうけた。
以上、『ユーカリの森に生きるーアボリジニの生活と神話からー』 
国立民族博物館助教授 松山利夫著
 より引用
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氏族間の関係性を高めると共に、部族としての統合力を高めるためのひとつの婚姻形態だと思われます。
以前、松山教授に直接お話をお聞きしたときにおっしゃっておられましたが、
逆もあって16~17歳くらいで成人した男子は40歳過ぎの女性と結婚し、そして20年あまり連れ添うと、女性は年をとり先に亡くなり、40歳くらいになった男性は16~17歳くらいの成人した女性と結婚します。
そしてまた、その女性が40歳くらいになったときには、男性の方が先に亡くなるので、今度は若い男性と結婚します。
男性も女性も人生で二度以上結婚する老若交代婚ともいえる婚姻様式のようです。
引き続きオーストラリア先住民族アボリジニについて調べていこうと思います。
読んでもらってありがとう(^_^)Nhaama bunggunggu. by 若

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>こうして母系+父系混在の敗走部族連合(≒国家)の妥協の産物が<双系>社会。
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  • R
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掠奪闘争をしていた父系集団が、なぜ母系集団との共存の道をとったのだろうか

>初めの頃は、父系部族に追い出されたマレー半島原住の母系部族が押し出されて、島々に渡って行くのだが、追い出して定住した父系部族もまた、後からやってきたより…

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