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2007年04月09日

アボリジニの「スキンネーム」は、権力集中防止策?!

アボリジニの「スキンネーム」は、権力集中防止策なのでしょうか。周りに住んでいる人たちとの関係を定めて、「いいなずけ」間でも決めたりしているようです。 🙄

『こうして、社会全体が緊密な親族の網の目によって結びつく。興味深いのは、一六種類の名前のあいだで、相互依存的な権利と義務の関係が生まれる点である。例えばジャバラは、ナニリにはいろいろと要求できるが、ナニリの母であるナンガラには、話しかけることすら許されない。男女それぞれ八種類のスキンネームは、世代が変わることで循環するようになっているから、どの人物にも、必ず自分が要求する権利をもつスキンネームの集団があり、逆に自分が命令に従わなければならないスキンネームの集団がある。結果として、どの集団も社会全体に対して絶対的な権威をもつことができない。中央集権的な政治機構をもたずに、社会運営が行なわれる。権力が一ヶ所に集中することがない、このアボリジニ独自の親族‐政治システムは、長いあいだ人類学者の関心を引いてきた。これを国連で採用してみてはどうだろう、と思うのだが。』(生命あふれる大地~アボリジの世界)


 アボリジニあれこれー素足のアーティーストに魅せられて 
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写真は「Lightning Man(稲妻の男)」という、カカドゥ国立公園内にあるアボリジニのロック・アート。

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スキンネームでの役割は、構成メンバーの権力を分散させて、権力集中を防ぐ役割があるとも言われていますが、獲物を追って大地を移動する彼らは住居も持たない。物欲や私権性は非常に低く、私権の集中など発生しようもないので、その説明には無理があるように思います。
「男性・女性それぞれが8つのスキンネームに分類され、自分のスキンネームに自動的に結婚相手が決まってしまう。」
スキンネームは、おじ、おば、兄弟、父、母、妻、などのカテゴリーに皆が分類されている。これは、お互いの関係を決めているらしい。お互いの関係とは、私権社会からすると、服従せざる得ない相手とか、支配できる相手とかと分析しているが、私権制が低い彼らにはそのような概念はない。それよりも責任を持って面倒を見る相手、扶養してくれる人などと言う相互扶助的な概念からの、関係だと思われる。
さらに、組織内の制度である「スキンネーム」は当然に集団統合の為に作られた制度である。集団をまとめる最大の課題の一つである婚姻を組織内で統合するために作られたルールかもしれない。
つまり、外圧が強い時代はボス集中姻であったであろう。が生産様式がある程度の外圧適応するようになると、飢えの外圧が低下してくる。すると、ボス集中姻が崩れて英雄婚、相偶婚に推移すると思われる。
そして、相偶婚を組織内でルール作った、いなずけ制度が、「スキンネーム」の始まりだと思う。さらに妻だけでなく部族全体の相互扶助関係まで世代間の関係として統合した制度が「スキンネーム」と思われる。だから権限規定という私権制の考えではなく、世代ごとの役割分担、相互扶助的なルールだと思います。

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