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2007年01月28日

アンダマン諸島人は頻繁に泣く

狩猟採集民アンダマン諸島人 の続き。
原始社会は共同体社会ですが、それを支える日常行事や儀式として『踊り』があることはよく知られていますね。しかし『泣く』という行為も頻繁に行われていることは、あまり知られていないように思います。
アンダマン諸島人は、結婚式や死亡・埋葬に関する儀式においても、親しい友人や親戚が久しぶりに会ってもおいおいと泣きます。彼らは感情を表す(=心を開いて親愛の情を表す)ために、頻繁に涙を流すのである。

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●結婚式
結婚式は村の広場で行われるが、花嫁と花婿はそれぞれ反対側に座る。長老が花嫁、花婿それぞれに、よき妻、よき夫になるには何をせねばならないかを述べたあと、花婿の手をとって花嫁のところに連れて行く(筆者注:婿入りを示しているのでしょうか)。すると友人と親類は大声で泣く。
長老は最後に、両人の腕を互いの首にまわさせ、花婿を花嫁のひざの上に座らせる。以降、夫婦互いに愛を受け入れるときは、夫が妻のひざの上に座るのである。
結婚式の後、新婚夫婦は結婚祝いの贈り物をもって新居に退くが、あとの連中は踊りを続ける。
二人の友人や親類は、それが同性の場合でも、2、3週間ぶりに会うと、互いにひざの上に座って、おいおいと泣くのである。(筆者注:性愛の情を表すスタイルと同じスタイルをとるところが面白いですね。)
●死と葬儀
死亡の知らせが村中に伝わると、すべての女たちがやってきて死体のまわりにすわり、疲れ果てるまで大声で泣く。そのあと、男たちが来て泣く。
遺体はムシロにくるまれ、折り曲げた姿勢で縛られる。深さ1メートルほどの墓に埋葬するか、木の上の壇に安置する。
近親者は数ヶ月のあいだ喪に服する(喪中はいろんな制限がありますが詳細は省略します)。
服喪期間が過ぎるまでには、遺体の骨から肉が崩れ落ちてしまっている。
服喪の儀式としての終了は、男たちが骨を掘り出し(あるいは木からおろし)、それを洗って、女たちが泣いて出迎えるなかを村までもっていく行為で表される。
服喪者は、晩の儀式ですべての制限から開放され、それから夜通しの踊りが、他のめでたい場合と同じように執り行われる。
死者の骨は長期間とっておかれる。頭蓋骨や顎の骨は、紅白のすじで飾られ、一種の首飾りに取り付けられる。配偶者や近親者は、儀式の際にこの骨を首から吊るしてよいことになっている。
四肢の骨は通常、小屋の屋根のムシロの中に入れておく。小さい骨は死者の女性の縁者によってひもに通され、病気の予防や治療のために身に付けるものとして、贈り物に使われる。
死者を含めて、仲間たちを本当に大切にしているんですね。
読んでもらってありがとう(^_^) by岡

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